2016第33回マイルチャンピオンシップ(G1)の結果分析
絶対王者モーリス不在で混戦となった第33回マイルチャンピオンシップはマイペースで逃げた3番人気ミッキーアイルがNHKマイルC勝ち以来2年半ぶりのG1勝利。
ただ、直線で悪質な斜行によりサトノアラジン、ディサイファに致命的な不利を与えた浜中には8日間の騎乗停止が決定。
普通に乗っていれば文句なしの結果だっただけに非常に後味の悪い結果となった。
レースはミッキーアイルが躊躇なく逃げを主張してマイペースに持ち込む。
ペース次第ではライアンのネオリアリズムも逃げを匂わせたがそこは譲らずに先手。
前半34.4のラップは近走スプリント路線を使っていた同馬には心地よいペースだっただろう。
直線入り口で番手のネオリアリズムが交わしにかかり併走に持ち込むが前に出させない。
ただ、伸びない内で脚色が鈍り始めたタイミングで左へ急激に斜行。
ネオリアリズムの余力を奪い、さらにそのあおりから玉突き事故となってサトノアラジンとディサイファが致命的な不利を被る。
脚色の鈍った2頭とようやく差してきた馬の伸び掛けたタイミングという絶妙なラフプレーである。
形式上だけの審議で被害馬が先着できた可能性が低いと判断されたとはいえ、バテた逃げ馬が伸びてきた差し馬の末脚を奪ったのだからやはり悪質である。
先着できた可能性は十分に考えられる内容ではないだろうか。
ミッキーアイル陣営の弁明としては隣でネオリアリズムがぴったりとつけてきたため、左鞭に切り替えられなかったということだが、その後の斜行ぶりを見るとそんなことはなく十分に切り替える余裕はあった。
ただでさえ、1週前のエリザベス女王杯では福永が1番人気マリアライトを落馬寸前まで追いやる戒告を受け、翌週に浜中がこれではいくら公正競馬と口先だけで唱えてもファンからの不信感は拭えない。
以前より降着のルールが明確にされておらず、どう考えても降着の案件が審議にすらなかなかったりするなどJRAの採決委員への悪評は後を絶たない。
我々のような文句は言ってもやめる気などさらさらない病的な関係者はともかくとして、ライト層の競馬離れには危惧すべきだろう。
★ポイント
浜中を降ろすことで自身のスケープゴートにした音無師だが、よりによって結果を出していた弘平を降ろして再度浜中に戻しての出走は外野としてもあまり気分がいいものではない。
弘平が乗っていたならあんな悪質な斜行をしなかったと思われる一方で、ああでもしなければ勝てなかったのではないかという疑念も残る。
マイルでもスプリントでもどちらでも足りないレースを続けていた馬にとっては嬉しい勝利なのだが。
■疑惑の判定
※立ち上がるサトノアラジン川田
※ディサイファは落馬してもおかしくないほどの不利
2016第33回マイルチャンピオンシップ(G1)の結果 | ||||||||
1着 | ミッキーアイル | 浜中 俊 | 1.33.1 | 35.6 | 01-01 | 音無 秀孝 | 3 | |
2着 | イスラボニータ | C.ルメール | 1.33.1 | アタマ | 35.0 | 06-05 | 栗田 博憲 | 2 |
3着 | ネオリアリズム | R.ムーア | 1.33.2 | 3/4 | 35.6 | 02-02 | 堀 宣行 | 7 |
4着 | ダノンシャーク | 松山 弘平 | 1.33.4 | 3/4 | 34.8 | 12-11 | 大久保龍志 | 14 |
5着 | サトノアラジン | 川田 将雅 | 1.33.4 | アタマ | 35.0 | 08-08 | 池江 泰寿 | 1 |
※後続の脚を使わせる絶妙なペース配分は好騎乗だっただけに最後は残念。
後方から唯一伸びてきたダノンシャークは松山の好騎乗が光った。
■ラップ構成
200m | 400m | 600m | 800m | 1000m |
12.3 | 23.2 | 34.4 | 46.1 | 57.5 |
12.3 | 10.9 | 11.2 | 11.7 | 11.4 |
1200m | 1400m | 1600m | ||
1.09.2 | 1.20.8 | 1.33.1 | ||
11.7 | 11.6 | 12.3 | ||
4F 47.0 – 3F 35.6 |
※前残りが散見するようになっていた京都でこれは優秀なペース配分。
これより速ければ止まるし、遅ければ切れ負けしてしまう。
切れる脚がないミッキーアイルにはダイワメジャーのようなレースが理想。
ラスト1Fは明らかに止まっているのだがあれで後続馬をすべて撃沈した。
■2016第33回マイルチャンピオンシップ レース映像
■パトロールビデオ
※これが許されてしまうと何でもありになってしまう。
■各馬のコメント
1着ミッキーアイル
前向きな気性もディープ産駒にもかかわらず末脚が切れないという自身の弱点もさながら相手関係やレース展開に左右されるタイプの馬。
さらには同馬の特徴を見誤った音無師が浜中には押さえる騎乗を指示しては不満が残る敗退を繰り返すことに。
NHK以来の2年半ぶりとはいえ、ただの早熟馬に終わらず古馬になってからもG1勝ちを手に入れるのは低レベルの多いNHKマイル勝ち馬にはレアケース。
馬は悪くないのだが騎手と調教師のみが悪いという少々可哀想な馬。
ケチがついたおかげでこのマイルCSの勝利はあまり評価されないと思われる。
2着イスラボニータ
パトロールフィルムで目についたのは寄れるミッキーアイルに対してまっすぐ走っているイスラボニータの行儀のよさ。
これは馬の行儀のみならずクリストフの騎乗技術も大きい。
フェアに乗り切って力も十分に発揮したのはこの馬くらいだろう。
勝ち切れないのは馬のせいなのかクリストフのせいなのかは微妙も蛯名を降ろした意味はあった。
3着ネオリアリズム
札幌記念以来のステップと距離短縮を嫌われた部分とライアン騎乗のプラスアルファ。
おそらくこの馬は他の騎手が乗っていれば掲示板もどうかだったかもしれない。
馬の力は確かだがスタート後の位置取りやペース判断が最高だった。
ミッキーが寄ってこなければこの馬が交わしていた可能性はある。
4着ダノンシャーク
一昨年の勝ち馬として4着は意地を見せた。
あまりに低評価でこちらも不思議に思っていた馬。
ただ、この馬に関してはごちゃついていた前をミッキーアイルが一掃してくれてのラスト。
不利ではなく有利だった。
5着サトノアラジン
追込み馬が内枠に入ったこととG1での川田の不甲斐なさを考えるとレース前に危うさは十分感じられた。
以前のように前が残りだした京都だけに外を回すロスを避けたまではよかったが終始伸びないインを追走。
内が開いたまでは運がよかったのだが、そこで運を使い果たした格好。
先週の蛯名もそうだが、川田もこういった不利を受ける側に決まっているのは資質の影響も無視できないかもしれない。
7着ガリバルディ
逃げ馬が勝ったレースでほぼ最後方を追走。
確かにこれで勝てる理屈はないのだが祐一の着拾いはいつもこんな感じ。
ハマれば天皇賞春のシュヴァルグランや菊花賞のレインボーラインのようなケースも。
元よりペース判断は苦手な騎手だけに仕方なし。
それよりも大一番でプラス14キロで出してきた藤原厩舎にも問題。
8着マジックタイム
ダービー卿で好騎乗をしたシュタルケに期待したもののこちらも祐一同様にほぼ最後方。
さすがにそこまで切れる馬ではない。
ただ、底力不足も垣間見えることからG1では今後も荷が重そう。
9着ロードクエスト
池添は徹底してイン突きの決め打ち。
サトノアラジンよりさらに後ろの位置からの追走。
薄々感じているのがもしかしたら3歳世代は世間で思われているほど強くはないのではないかという疑念。
これが正しいとなるとジャパンカップのディーマジェスティの評価も変わってくる。
ジャングルポケットほどの素質は感じられなかった。
10着ディサイファ
京都芝1800を一定スピードで走破できる馬は当然マイルでも通用。
これはグランデッツァが2年前に証明済み。
さすがに7歳馬となって厳しいと見たが10番人気を覆す好走。
それだけにあの不利はいただけない。
16着ヤングマンパワー
戸崎で3連勝した馬をバルザローナなんかに任せたのがそもそもの間違い。
安定して上手い戸崎ではないが、馬との相性は大きい。
この馬は全く何の不利も受けていない。
そう、バルザローナを乗せた不利以外は・・・。
バルザローナ騎手(ヤングマンパワー=16着)「スタートは出たが、フワフワして行く気がなかった。初めてだけによくわからない」
お前の方がよくわからないわ(苦笑)
関東馬の輸送ありきだからね、仕方ないね。
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